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いつものそれなりに混んでいる朝の通勤電車での出来事である。
今日私は、つり革の前に立っている制服姿の女子中学生の少し斜め後ろに立っていた。断っておくが、人波に押されて偶然その位置に立つことになったのであって、意図したものではない。ぼんやりしていると、ななめ左前方で彼女は見事な指さばきで携帯メールを打っていた。背後から肩越しに見えたのだが、早いのなんの・・・。
朝から友達にやつぎばやにメールを送信していたのだろうか。両手の指が踊る捜査線。なぜかモグラたたきを連想してしまった。きっと彼女はピアノもプロ級なのだろう。

10分位経ったころだった。彼女のメールを打つ指のスピードが、急に落ちたように見えた。断っておくが、別にそれまで意識して見ていた訳ではない。だが、確実に雰囲気が違う。スピードが違う・・・。

そして私は、少し悪いと思いつつ、覗いてしまった・・・。
女子中学生の携帯メールを・・・。
肩越しに見た、いや見えた画面にはこう書かれていた。

「隆○くん 誕生日おめでとう。これからも○○○・・・」
ここで彼女の指は、完全に止まっていた。「これからも」に続く「次の言葉」が決められないようすだった。何度も変換しては消していた。これからも「楽しく」、「愉快に」、「優しく」、「一緒に」・・・。
そして私は見てしまった。彼女の次の言葉が・・・これからも“好きだから”。
でも、5秒ほどで消された。

私は自責の念にかられた。よくない。他人の携帯を覗くのはよくない。
心の犯罪だ・・・。

私は携帯を見るのを止めた。その後も彼女はメールを作成していたようだ。

そして、偶然電車が揺れて、私の立つ位置が少し移動した。すると、再度彼女のメールが見えてしまったのだ。断っておくが、覗いたのではない。見えてしまったのだ。信じて欲しい。電車が揺れて、少し立つ位置が移動したために、見えてしまったのだ。
でも、しっかり読んだ。

「隆○くん 誕生日おめでとう。KYだけどこれからも楽しくできるといいね。クラスのみんなとも、あと5ヶ月だね。いい思い出ができるといいね。ギャグ思いつかないから、これでおわり。へへへ」

彼女は何度も画面を見直して、意を決したようにメールの送信ボタンを押した。
その表情は、祈るようにみえた。

私は、彼女は隆○君に「告白」はしないと思う。そして、そのまま5ヶ月が過ぎて中学校を卒業して、もうお互いに会うことはないかもしれない。そんな気がする。
余計なお世話だが、いい思い出になることを願いたい。

3cm X 5cmのちっちゃな携帯電話の画面に、何度も書いては消してやっと仕上げて、結局は出さなかったラブレターがかぶった、そんな朝だった。

***

そういえば、中学校の卒業式の日に、私の制服第2ボタンを欲しいって走って来た彼女、どうしているだろうか? 元気かな? 私の第2ボタン、今も大切にもっていてくれているだろうか?

そんな昔の・・・いい思い出・・・。
あったらいいな。


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